「残したいもの」は、できれば持ち帰って、見積の時までに現場から外しておく、または完全に分けておく、運び出せない場合は誰にでもわかる印をつけておく。 誰にでもわかる印、というのは、A4サイズの紙に「残す」とマジックペンで大きく書き、しっかり貼り付けておくことです。あるいは、赤・青・ピンクなどのカラーテープを、少なくとも10センチ以上の長さで貼り付けておきます。 袋にまとめておくときも、その袋の上に、「指示の紙」またはカラーテープを、持ち手の近くに貼り付けておいてください。
1.事前にご自分で、できるだけ片付けを進めておくこと
① 要不要の選定(仕分け)を予めおこなっておくこと。
② わかりやすく担当者に伝えること。
上記①のようにモノごとに特定できない場合は、自分なりの基準を決め、わかりやすく見積者に伝えてください。 例:「古いアルバムや写真は不要/全て残す」 「洋服・布団はすべて廃棄」 「1階の客用ざぶとんは捨てない」など。 どういったものを残すつもりなのか、その方針がわかれば、見積時にもめどを立てられますし、作業時の混乱は避けられます。
写真で伝える! さすがの手段
「残したいもの」「探したいもの」の写真があると、助かります。作業者間でも共有できます。 百聞は一見にしかず。写真で指示されれば、間違いは起こりにくいですね。 但し、これは20点以内など、数が少ない場合に有効です。 数が多い場合は、現場の品に直接テープやラベルで指示が有難いです。
しっかり伝えていただきたい
作業者から見て困惑する例をお知らせします。 「紙」「メモ」が置いてあるだけ。はらりと動いてしまうとわからなくなります。 「残す」の指示が「ポストイット」などの付箋紙。 これは剝がれやすいのが特長の紙。 カラーテープが見づらい・見分けが付かない。最も汎用の薄緑の養生テープ、透明、白いテープなどは避けて、見やすいところに貼る。(ピンクや赤のテープはホームセンターで1巻300円くらい。ネットショップでも買えます) 「OK」「済み」「要」「捨て✖」など、ご本人にしかわからない表現でのメモ。OKは捨ててよい?「捨て✖」ってどういう意味? 「要るもの」なのに市のゴミ袋に入れられている。45ℓ、70ℓの大きさの袋が手元に無かったから…という理由のようですが、大きな間違いに通じてしまうので、残しておきたいものは絶対に自治体のゴミ袋に入れないでください。
③ 転売したいものはできるだけご自分で 持ち帰り、現場に残さない。
中古品の買取で「売れるかも?」と思うもの(小さいもの・高額品)は、持ち帰り、ご自分で手配する。 時計や宝石、アクセサリー類は 持ち帰りやすいアイテムですので、ご自分で複数店舗をあたられたほうが、結果的に良い査定を得る可能性が高まります。 切手、書損ハガキ(未使用品・金額が古いものなども含む)は、郵便局で手数料(5円~)を払ったほうがよい場合もあります。 テレフォンカードやギフトカードの買取は、駅近の金券ショップでも売れるし、ネット買取もあります。 骨董品や美術品は「お宝鑑定団」の気分を楽しみたい方は、骨董品専門店などに持ち込むのもよいでしょう。 衣類についてもよく質問されます。 衣類はハイブランドの品で出来るだけ新品に近いもの、着用回数が少ないものは買取値が付くことがありますが、ただ「未開封」というだけの理由では難しいとお考え下さい。 シャネル・プラダなどのハイブランド衣類やバッグなども、お持ち帰りになり、Brandia等「ブランド品買取」のネットショップや実店舗にてお尋ねになるのが最も良いです。 雑貨類やタオル、食器など。たくさん保管されている方も多いです。 「使っていないから」「開けていないから」という理由で、即「売れるだろう」と考えるのは安直です。 雑貨でも食器でも「流行」はあります。自分がこれをお金を出して買うだろうか?という視点で見てみると、中古買取の可能性もおのずと見えてくるでしょう。箱に入れられた貰い物のシーツやタオル(新品)も、経年劣化で汚れやカビが出ている場合があります。よく考えてみましょう。
フリマ・オークション転売は?
メルカリやヤフオクは、売れれば楽しく、実益にもなるが、意外と面倒! メルカリやヤフオクは不要品処分の新しい道となりましたが、「買い手がつくまで保管」が必要です。この「待つ」時間が意外と「片付けが進まない時間」になって、そのまま空間を占めてしまいます。 テレビで見る「片付け番組」では、「これはメルカリ出品中」として押入れに不要品が詰まっている、という例、よく見かけます。何のためなんでしょう?
誰かにあげようかな?!
誰かに譲ろうと考えるときは、相手の了解を得る、具体的に進める(譲る日付や方法も決める)などをしっかり考えて実施してください。 今はモノであふれた時代。そして感染症が流行ったこともあり、中古の物の譲り受けにも神経質な時代になりました。一方的に誰かに押し付けるような譲り方をしないことが重要です。 誰かに譲る、人にあげる、が 人に押し付ける、にならないように。もらったほうが困ることもあります。 遺品などを上手に形見分けされている事例もあります。一方的な押し付けにならないよう、それはもらい手の都合にあわせた譲り方をすることです。
寄附したい!
図書館や博物館に寄附したいときも同様に、先方の都合を尋ねることから。学校や図書館に古本を持ち込んで「寄附するからもらえ!」と言っている方を見たことがあります。図書館は不要書籍引取り場ではないのですが・・・。別の方は「地元の高校に聞いたら、保管スペースが無いと断られた」ということも。 博物館や美術館に飾る価値がある物の場合も、その物の本来の価値をしっかり調べてから譲渡について相談なさってください。
2. 作業時に「物を見てから決めます」を避けること
作業時にお立会いは歓迎です。 ただ、その時に「物を見てから決めますので、ぜんぶ私(ご依頼者)に言ってください」というのは、実はけっこう困ります。当社では、このような「要不要判断」が必要なケースでは「3割程度の割増」をかける場合もあります。 作業スタッフは一連の流れを効率的に考えて動きます。お客様からの「ちょっと待って!」「それ、見ます!」等は、作業の動きを止めることにもなります。見たいものは事前に見て分けておいていただきたいです。 一軒丸ごとの片付けの場合、「この部屋については、今日の午前中にすべて見ますので、まだ手をつけないで」というご指示は歓迎します。(割増対象にはしません)
それでも、やっぱり見てから決めたい、或いは 決めきれない、という方に 少しアドバイス: ▼その思い出の品、汚れていませんか? 埃や汚れがあったら、綺麗にしてから飾る。飾るスペースはありますか? (綺麗にしたとしても、飾るところが無い場合は、段ボール箱ひと箱の思い出ボックスをつくり、そこにしまいましょう。無理に捨てる必要もありません。ただ、自分にとってどういう位置づけか、しっかり自覚しておくことが必要です) ▼そのコーヒーセットはお客様に使いたい? わかりました。でも少しスタイルが古くはない? そのお客様はなんていうお名前ですか? 最後に直接会ったのはいつですか? ここに来てくれそうですか?(こう自問自答することで、実はお客様の具体像が見えていなかったり、お客様の年齢や環境などからもうここまでは来れない、実際に自分の家には人を招いていない、ということがわかってきます) ▼誰かからもらったもの? その誰かとは今でもお付き合いがありますか? ⇒ 処分した贈り物のマグカップ。贈り主に「使ってる?」ときかれたら「お気に入りだったけど割れてしまったの」と答える。嘘も方便。 ⇒ 人の結婚式の引き出物。そのカップルは今でもお付き合いがある? お皿や鍋などの実用品ならば使うかどうかを考えましょう。大切にしまい込んでいた引き出物のカップルは実は離婚していた、な~んてことはあります。(笑) ▼もったいない。 わかります。日本人ですからね。でも、そのものをもう一度買いますか? もったいないと感じたなら、今すぐ使ってみましょう。 ▼痩せたら着る‼ 本当ですか? では痩せましょう。(笑) そう簡単に痩せられない。それでは、今、まずそれを体にあてて鏡の前にたってみましょう。痩せた自分に、この服はさらに綺麗に見せてくれますか? ラインづかい、肩、襟、袖、色あい。なんとなく古い感じがしたら、サヨウナラ。
3. その自治体の分別基準を守ること わからないなら、袋詰めはしないこと
ご依頼主様・ご家族様がつくった袋詰めが、分別基準を守っているかは非常に重要で、私達だけでなく私達がお願いする処分業の方も大変よく見ています。 分別に不安がある場合は、私たちの手ですべてやり直す=袋をぶちまけて仕分けしなおすので、「袋詰め」は先走らなくても結構です。 また、大きい袋が手元にないから、と「他の市町のゴミ袋」(45ℓ・70ℓ)などに入れるのはご法度。 場合によっては、「再作業費用」をチャージすることもあります。 また、袋詰めをしなくとも、部屋の片隅に寄せてまとめてある、山積みにされてある状態がいちばん作業者にありがたい状態です。とても効率的に作業が進みます。
家の構造や、地形など、どうしても自分の努力では変えられないこともあります。
けれども、一つ一つの物をどうするか、ということは自分の判断で決められます。持ち帰るものを持ち帰り、同じような種類でまとめておかれれば、見積時には好印象となり、思わず「事前準備ご協力割引」を付けてしまうのです。
反対に、ゴチャゴチャした現場は、物が多く見え、作業も複雑だろうと予想してしまいます。
当社で「見た目より物があったかな~」と思うのは、間違いなく、見積時にきちんと片付けられている家です。
見積体積ももしかしたら、1~2㎥少なく見てしまう、そんな心理が働くのが片付いた家です。つまり、ご依頼者にはお得な結果になりやすいということです。
遺品整理などの片付け費用を安く抑えるためには